● 帰省から東京に戻り。その道中で、先日から読み始めた泡坂妻夫の「生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術」読み終わりました。この本のメインは、そのギミック。異常な装丁なんですよ。全体が袋とじの塊。
● で、袋とじのママで、短編小説として読めて、その後で袋を開くと、短編小説の箇所を残したママ(人物は共通してるけど、その性格や背景などがガラッと変わる)、全く別のミステリ小説になる、というのが面白がりポイント。すごいこと考えたな、と思いますね。「本」という形態の可能性をしゃぶり尽くそうというトライアル。でもまあ、はっきりいえば、この形態を実現化するために「短編小説はかなり読みづらく、展開に無理があったりする」し、肝心の本編も謎解きのクオリティはキツいなあ、と思いました。この形式を実現した、という価値を評価すべきなんでしょうけど。おかげで、古本には全く価値がなくなるし(袋とじ状態で一回読まないと、その苦労が理解できない)、当然、ページの概念がない電子書籍では楽しむことができないし、まさに奇書というのにふさわしい小説だなと思いました。
● ちなみに、キワモノミステリでいえば、新本格のごく初期に出てた、斎藤肇という作家の三部作「思い通りにエンドマーク」「思いがけないアンコール」「思い上がりのエピローグ」がとても好きだったんですけど、以降全く再販されてないんですよね。あの時期に、マンガチックなキャラでメタミステリ的なことを取り入れてたあたり、正統派ミステリファンが怒り狂うような雑なロジックとあいまって、異常な面白さだったんですけどねえ。またまとめて読みたいけど、古本探すしかないんですね。
● それと実家の近所のスーパーで、ついに見つけました「うなる美味しさウナ次郎」!茨城から東京まで持って帰ってきて夕飯に!
● ディティールは「それっぽい」だけで、鰻とは明らかに異なるムード。ラップを解いた段階で、さすが「魚のすり身」だけあって、妙に魚臭い匂いです。しかし、うなぎって、こんなに魚臭かったっけ?もっと異質な匂いだったような・・・。さらに、裏返して見たら、皮の方もそれなりに頑張ってる!!うなぎっぽい!!「フッフッフッ、おれは手にいれたぞ」「うなぎの力を手に入れたぞ!」
● これをレンジで温めて、ご飯に乗せる!うな丼っぽいものが出来上がりました。
● 身の柔らかさは、かなりほろほろした感じで、うなぎっぽいですよ!「これは!これは!鰻丼(ウナドン)だ!」
● まあ、食べて見たら・・・食感はかなりいい線いってるんだけども・・・。????これ、うなぎ?やっぱり、なんかよくわからない魚のすり身のタレ焼きじゃん!ほんと、雰囲気は悪くないんですよ。問題なのは・・・味(一番肝心の)だけだな!!結果、これは・・・うなぎではないよ!!うなぎのフリもできないよ!うなぎのうまさが一つもないんだよ!「これが!これが!オレが日立から持ち帰ってまで食べようとしたうなぎの正体か!」「地獄へおちろ人間ども!」
● おそらく、この先「うな次郎」を買うことはないと思いますね。これだったら、ほぼ倍の値段の中国産うなぎを食べた方が、ずっと精神的にいいです!うなぎ食べるな派がなんと言おうとも、だ!!ほんと、食感はいい線いってるので、ファーストキッチンのポテト開発班とか、巧妙なイミテーション食材を作ってる食品メーカー、本気になって「うなぎ蒲焼」風味パウダーを科学で再現できないんだろうか?その「うなパウダーさえ完成すれば、うな次郎とのタッグでてんか取れると思うんだけどもなー。
● ガリアンが値崩れ起こしてるみたいなので、そろそろ買い時かな。鉄巨神のパチ組見せてもらったけど、カッコよかったんだよなあ。