● アメリカではトランプ反対派が大規模デモして、韓国では大統領退陣要求で大規模デモしてる一方で、今日、大洗では「あんこう祭」だったそうだし、大久保公園では「ケバブフェス」だったらしいけど(みんな、タイヘンだ!!)、オレはといえば、テアトル新宿でチケット取れたので、いま一部で超プッシュされてるアニメ映画「この世界の片隅に」観てきました。なんか、今年は、アニメ映画すごくよく観てる!!勉強熱心!とか思ってたんだけど、さすがの「重さ」に鑑賞後は、いろんな感情が渦巻いてしまいました。
● 正直に言いますが、戦争の頃のお話は、空襲の悲惨さ、怖さを親の世代から散々聞かされて育った自分にとっては、あまりに「近く」「地続き」で、それでいて「知らない」、悪夢そのものです。だから、たいがいの場合、戦時中の日本人のドラマなどは、大概、冷静になって判断することが出来ずに「うう〜っ」と頭を抱えて唸るしか出来ないのです。この映画に関しても、幸福感と、残酷さがない交ぜになっている前半戦から、ただただ観ていて胸が苦しい後半の状況に、気持ちをグルグルと掻き回されて「よく出来てます」とか「面白かった」みたいな感想が書けない感じになりました。素直に感想が書けないなんて、これは、不自然です。多分、不自然の正体は「戦争」に関する何かのリアクションを書かねば、という強迫観念なのです。
● で、一旦戦争を忘れてみることにすると、これは、可愛らしくて、ちょっと、とぼけた女性の青春物語でした。特別ではない(個性的ではありますが)、当時、たくさんいたであろう普通の女性の当たり前のドラマです。今でこそ「古臭い」と言われてしまう「家に嫁いでいく女性」が主人公ですが、とてもチャーミング!!物がない時代のおさんどん。小姑との付き合い。少女時代の思い人との再会と、現在の夫との距離感。揺れ動きながらも、笑顔で生きていく人物像に、グッとくるものがありました。悲しいんだか、楽しいんだかわからない日常の空気も、まさに「そうそう、世の中ってこんな感じ」的なリアリティがあって、没入感もありましたね。そういった部分含めて、胸にくる映画でした。
● まあ、でもやっぱりね、戻ってくるんです、戦争の話に。自分は、自身の母を重ね合わせました。母から聞いた話とかと、被るところがとても多いので。フィクションではありますが、やっぱりこれ、地続きなんです。戦争と、地続きの世界に生きる自分たちだからこそ、こんな映画を見せられると、キュッと引き締まる何かがある。誤解を恐れずにいえば、もう観てられなかったんです。また観たい!!ってならないです。本当に、終盤は観ていて辛くて、辛くて・・・。でも、いい歳のおじさんの心をここまでグラグラさせるんですから、すごい映画です。映画好きなら、ぜひ観てください。こういうすごい映画が、これからも生まれてくる土壌を「ヒット」という名の元に作っていければな、と思います。そういう意味でも、「もう観たくない」けど、大いに応援します!(ちなみに、中盤の衝撃的なシーンきっかけで、大声で号泣しだした中年男性の声が劇場に響き渡り、正直、こまりました。あれ、集中力削がれるよ・・・。あの回のお客はちょっと困ったと思います)
● さて、気分をガラッと変えて「怪獣チャンネル」の話。先週末に公開した「池谷仙克」追悼トークが、思いの外、ダウンロードされるペースが順調でホクホクしています。そうか、やっパリウルトラ怪獣の話はみんな聞きたかったんだよね!と、言いつつ「ウルトラマン80」は今ひとつ聞いてくれる人が少なかったし、そもそも今回も、蓋開けてみればファイヤーマンの怪獣だの、ダイゴロウ対ゴリアスだの、あまり期待されてない話をしてるし・・・。楽しんでいただけてますでしょうか?まだ、聞いていない方は、ぜひ!!
● よろしくお願いします。