● 先日、「デスレース」の新作について書いたんですけど、ポール・W・S・アンダーソンの(ステイサムの)「デスレース」も、あまりヒットしなかったけど、いつものアンダーソンだし、いつものステイサムなので、めちゃ面白いんですよ!バイオレンスあり、ボインあり、バカありで、文句なし!Amazonだとプライム会員無料で観られるから、ゴキゲンなバイオレンスアクション見たいときにはオススメしておきます!!
● で、一方でオレは「ガンヘッド」観ました。近いうちに、と思ってたけど、Amazonで有料配信(400円だし)されてたので、思ってたより早々に観直狭した。ビバ配信!当時の印象としては「ひどい映画」だったんですけど・・・いやあー、改めて「なんだかよくわかんない作り」の不思議な映画でしたね。設定の大前提が冒頭に字幕で語られるんですけど、これが理屈がさっぱりわからない。「ハイアンドロー」の世界の方が、よっぽど飲み込めるぞ!そんなわけで、終始、ここが何か?も理解できないまま、キャラクターが何を目的に、何を考えているのかも今ひとつピンとこないまま進行して行くのが厳しい。また、カイロン島内部を移動して行く物語なのだけど、その移動プロセスが非常にわかりづらく(そういう脚本に欠点があったとしても)、観ていて途方に暮れてしまう。さらに、輪をかけて、アクションシーンのカットとカットのつながりが強引(と、いうより予算の都合で「つながるカットが撮影できなかった」という理由だとは思うけど)で、戦略も、戦術も、とってもわかりづらいのです。ついでに言えば、台詞回しも日本語英語が入り混じり、しかも、割とみんな滑舌悪い(それがリアリティという演出だと思うけど)ので、何言ってるかも、ちょっとわかりづらい。要するに「すごくいろんな事がわからない」映画なんです。
● 気をつけなくちゃいけないのは、数年前に出た「ガンヘッドパーフェクション」。資料としてはかなりいいけど、脳内美化される恐れあり!やっぱり、映画と資料は別もん何ですよね。ビジュアルが主役の映画とはいえ、時間、音楽などなど合わせると、理想からどんどん離れていくわけで。
● そこで、活躍するのが先日読み終わった、會川昇版、小説「ガンヘッド」ですよ!お話の骨子はかなり変わっちゃってるし、正直、状況説明が多すぎてこちらも「わかりづらい」小説であることは確かなんだけど、少なくとも、映画と違って、ひっかっかった箇所は読み直せるので、最終的には「まあ、こういう感じか」と理解はできますから。このおかげで、映画「ガンヘッド」の補助にはなりますね。描かれてないとこの脳内補完、または修正ができるので。
● とは言え、特撮(ミニチュア、造形)は当時としてはなかなかいい線いってると思うし、ガンヘッドと主人公ブルックリンの会話シーンは、それなりにチャーミングだし、ああいう世界観の映画に、30年も前にトライした結果としては悪くないかな、とも思うんですよ。今年公開された押井監督の「ガルムウォーズ」になんか似てるな、とか思ったくらいだから(’∀`)。あの当時「そうじゃねえんだよ!」と感じた憤りが、今だと「惜しい!もう少しこうしていれば」って、少々暖かい目で観られるレベル。ガンヘッドのデザインも「河森さんの手癖で描いてる感じで新鮮味がねえな」と思ってたけど、今見れば「タンクモードはかっこいいんじゃないの?コトブキヤのプラモ買うか?」って、すごく好意的に感じるわけですし。時間が経つって大きいですね。なので、いま、みんなも「ガンヘッド」観て観たらどうだろう?(もちろん、小説「ガンヘッド正伝」を読んだ後で)過去の遺産を、しゃぶるって趣味も決して悪くはないですよ!(怪獣ファンの楽しみって、そこがメインだから)
● そうだ、一番「わかんねえなあー」と思ったのは音楽。ガンヘッド出撃!って一番かっこいいとこの音楽が「パッパラ〜ン♪」って感じの、町内会の福引で2等が当たった時くらいのテンションの、気の抜けたファンファーレみたいなやつ。あれを選曲したセンスがほんとわかんねえなー。
● 深夜に始まった「タイガーマスクW」。昔のタッチを意識していて、一部で好評のようなんですが、そのタイアップで今日は、新日本プロレスの実際のリングにタイガーマスクWが登場してパフォーマンスを披露したみたいです。イベント的なアトラクショーだとは思うんですが、未だタイガーマスク4代目が在籍する新日本プロレスから、その件に関してはノーフォロー(目に見えるところでは)。さすがに、かわいそうかなあ、現4代目タイガーマスク。一応、その継承にずっと貢献してきた功労者なのに、アニメ界隈のメディア(4代目タイガーを知ってか知らずか)では「実物のタイガーマスク登場」って完全無視で盛り上がってますから残酷なもんです。少なくとも、そこに「プロレス愛」はないよなあ。(俺も、プロレスファンじゃないから愛はないけど)