● 折角の休日なので、途中で止まっていたNetflix『悪魔くん』を最終話まで視聴。TVアニメ版『悪魔くん』のアダルト向け令和版続編という、摩訶不思議な立て付けの作品で、「東映アニメーション」っぽい内容。基本、面白く観られました。
● 『墓場鬼太郎』路線を想像して、原作匂わせをしてくるのかと思っていたら、真逆の展開。むしろ「悪魔バスター」的なエピソードの積み重ねが最終的にはちょっと「寄り道」としては食い合わせが悪かったのでは?と思うくらい、ラスト2話の方が良いドラマだったと思います。次シーズンを意識したのか「謎残しすぎ」なところは正直気に食わないんですけど……自分は「コレはコレ」と潔く楽しめました。水木しげるの「悪魔くん」とはほぼ関係のない作りにしたことが、今回に関してはうまくまとまっていた、ということですかね。
● ゲゲゲの鬼太郎もそうなんですけど、原作の美味しいエッセンスはいただきつつ、アニメはアニメ、新作は新作と、リフレッシュしてきた水木しげるキャラクター。その一番極端なケースになったんじゃないかな?と思います。いい意味で。熱心な原作ファンには「受け入れがたい」って人もいるかもしれないけど、自分もマンガ「悪魔くん」は、貸本版からコロコロ版までそれぞれ好きだし、少年マガジン版は特に愛好してます。「悪魔くん」こそ「みんな違ってみんないい」典型じゃないのかな?(ちなみに一般的な「みんな違ってみんないい」っていう使われ方はあんまり好きじゃない)
● ムードメーカーにうまく使われてた女悪魔、グレモリーは得なキャラだったな!メフィスト3世はとても良かったけど、雑に出てきて、オイシイところを持っていく女悪魔設定、ほんとずるい!って思っちゃった。
● あと宮さんから江戸川乱歩賞受賞作『此の世の果ての殺人』によく似た設定の海外ミステリありますよ、って教えてもらった『地上最後の刑事』も興味津々で手にとって、ベッドで練る前にちょこちょこ読んでたんですけどやっと読み終わりました。翻訳の問題もあるんだけど、かなりポエトリーな感じの文体で「品はいい」んだけど、即物的描写が中心の日本の推理小説に親しんでいる自分には、ちょっと読みづらかったかなあ。トリックや名探偵といったタイプの「本格もの」とは違ってハードボイルド的なノリで、オチはこっちのほうがマトモでした。『此の世の果ての殺人』は「いかにも」だし、「流行りの」といった感じもあった分、物語のロジックとして唐突なんですよね。まあ、日本のミステリファンはこのくらいの唐突さがないと満足しない、というジャンル小説ならではの「趣味性」というのはあると思いんですけど。
● しかし、こんなトンデモ設定が共通していながら、まるで違った展開、読み心地の違った小説になるというのは、「元ネタ」かどうかはわかりませんが面白いものです。日米作家の「競作」的な楽しみ方が出来た!一方を読んだ人は、ぜひ読み比べてみて!どっちも、それなりに面白いから!というのが感想です。
● 次は『方舟』という、ひどくいびつな、それでいてラストはそれなりい唸らせられる作品で注目を浴びた作者、夕木春央の新作『十戒』を読むことにしました。面白いといいなあ。
● 今夜は彼女のリクエストで「蕎麦屋」のカレーライスを意識したカレー丼。鰹節の出汁と麺つゆ使用。色々レシピ調べたんだけど、あの独特のトロ味は片栗粉とか入れてるわけじゃないみたいなんですよ。単純にカレールー含有の小麦粉だけっぽい。
● 食べてみたら、かなり「蕎麦屋」カレーの再現度は高いです。やっぱり鰹節の出汁とめんつゆはもちろんなんですが、長ネギの効果は意外とでかいな!味濃い目に仕上がりましたが卵黄を混ぜると程よい感じに。卵の白身(2個分)はロッキーバルボワのように、オレがごくごく飲みました!目指せイタリアの種馬!