● やっと!!『大怪獣のあとしまつ』観てきましたよ!!平日の昼間の割には、そこそこの入りで、週末興行成績1位は伊達じゃないですね。主演目当ての女の子を見越してか、上映前の予告編は女性ターゲットの作品だらけでした。『東西ジャニーズJr. ぼくらのサバイバルウォーズ』とか、『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM』とか『ホリック』とか……。そうかー、そっちのお客がコアターゲットか!って感じ。
● で、前に日記で「言っても三木聡の映画なんだから、マジで受け止めて怒っても仕方ないよ!」って書いたんですけど、そこに関してはごめん。謝ります!「そう誤解させそうな映画」だったよ。つまり「いつもの感じの三木聡映画じゃない」ってことです。だって、オレ、ほぼ笑えなかったもん!!

● 理由はいっぱいあるんだけど、まず、いつもの「三木聡笑い」がめちゃくちゃ控えめ!いつもなら、しつこいくらいにふざけてるのに、今回は「チョコ、チョコ」としか出してこない。ふせえりと岩松了の掛け合いも控えめ。しかも、西田敏行や土屋太鳳を通しちゃうことで「あの三木ワールド」へ持って行けてないんですよ。あの「ヘンテコな世界の畳み掛けが三木監督作品の面白さ」なのに、あんな細切れで出されたら笑えないじゃないですか!そのせいもあって、三木聡を意識していない人にとっては真面目な映画のかな?って思っちゃうんです。
● 実際には「内閣の会議なんか舞台劇のセットみたいな感じ」だったり、「総理大臣直属の兵力、特務隊」みたいな漫画設定が出てきたり、西田敏行が変顔したり、「到底、ガチで怪獣シミュレーションをやろうとしているとは思えない緩さ」なんですよ。リリティライン的には……これは悪口とかではなくて、ここ数年の仮面ライダーとかウルトラマンくらいの感じ。そういう目線で観たら、フツーの怪獣映画ですよ。でも『シンゴジラ』的なものを見ようとするならば、ふざけがないからそれなりに大真面目に見えちゃわないこともない。「緩さ」に気付けない。または「怪獣シミュレーション」だと勘違いしたまま見続けちゃう可能性がとっても高いんですよ。佛田さん、若狭さんの特撮コンビもなまじいい仕事してるから余計に!。この辺り、普段。ライダー、戦隊、ウルトラを観ている人、「怪獣チャンネル」聴いてくれてるような人にしか伝わらないだろうなあ……。以上のことからめっちゃバランスが変な作品になっちゃってるんですね!
●「いわゆるドラマとして」成立してないからエモーショナルな感動はない(これは三木聡なので仕方ないとも言える)割に、笑いもない。だから、なんかやばいんですよw。実写『デビルマン』と比べて「酷い!」っていう言説もツイッター上で流行ってたけど、あの「酷さ」とはステージが違います。あれはもういろんなことが頓珍漢で「ヘンテコ」なところまで行ってたから。今回も「いい意味で三木聡的ヘンテコ」まで行けてれば比較もアリかもしれないけど、そうじゃないんです。ずっと「マトモ」。なにしろ、三木聡に「松本人志くらいの怪獣愛」があったことはわかりましたからね。「松本人志くらい」なところがタチが悪いんだけども、そのくらいには「怪獣映画をやろう」という意思はあったと思います。それは「マトモに怪獣っぽい画を撮ろうとしている」意思は感じたから。以上のことから、すごく「簡単には評論のまな板に載せるのが難しい」映画になっちゃってるのが実情なんじゃないですかね?。
● なんでこんなことになったのかは想像でしか言えないんですけど、三木聡本人が「いわゆる三木聡的なものを辞めてマトモな映画を作ろうとしたのか」。それなりにビッグバジェットなので三木聡的世界を製作サイドが削ぎ落としたのか?(監督が遠慮したのか?)。オレは、三木聡が怪獣愛で「撮りたいものを画にする」ことを優先して撮影プラン、脚本を作ったんだけど、その「マトモ」な要素をつぎはぎしたパッチワークがうまく機能しなかったんじゃないかな?って感じました。「怪獣愛」は余計だったな、という感想です。オレにとっては「怪獣映画としては残念な感じ」だったし、「三木聡作品としては期待はずれ」だったというのが結論です。
● ちなみに上映後、席を立つ若者二人が「なるほど、こういう映画だったのか」「怒る人がいるのわかるわ」「でも結構ちゃんとしてたよね」「うんうん」って言ってたので、オレのこういう気持ちがいかに無駄か!とも思うわけで。満足してるなら、それはそれで良し!!
● ちなみに、内容に全く関係ないけど、映画館で驚いたこと。

● 映画の話を続けると『ザ・バットマン』についてマット・リーヴスがコメントしてましたね。どうも、今回の『ザ・バットマン』から、スピンオフを作って、独自のバットマンユニバースを作るという目論見っぽい。つまり、セリーナカイルや、なんならディックグレイソンやジョーカーなんかを作っていくってことなのかな?今回もジェフ・ローブのコミック『ロングハロウィーン』を参考にしたとコメントもしてたから、今後も『ホエン・イン・ローマ』とかの過去作を使うと、今までの映画バットマンにはない世界になりそうで、それはそれで楽しみ。でもなあ……マット・リーヴスってさあ『猿の惑星』の人だと思えば、オレは結構期待していいと思ってるんだけど、『10 クローバーフィールドレーン』だとか『クローバーフィールド・パラドックス』の人だと思うと……個人的には不安なんだ。どういう気持ちで待てばいいんだろう。まあ、いずれにせよ「意識高い評論家が素通りする感じの怪しい映画」にはなっちゃうんだと思うと、それもまた良しか。
● 今月は『ナイル殺人事件』と『ゴーストバスターズ』も観たいんだ!