● ドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』。福田雄一組の作品を久しぶりに見たけど、やっぱり撮り方とか画角がゆるゆるで、慌ただしい中で撮ったテレビドラマー!って感じの印象でした。あと、実際劇中のドリフのコント以外、「コメディ」要素って全くないのが意外。福田ネタ(オレは苦手だけど)は今回は封印してましたね。まあ、そこはイザワオフィスという、恐ろしい監修の元だからなあ。そう考えたら福田雄一以外に適任者いたんじゃないか?とは思いますけど。

● 再現シーンにはこだわった、みたいな発言があって、まあ、イマドキのご時世だからそういうディティール大事だよね、とは思ったんですけど見て納得。とにかく「見せ場」がそこ、というドラマなんですよ。割と物語の筋だては雑で、予想以上のボリュームで丸っとコントの再現シーンをいくつも入れてた。こっちはオリジナルを知っているから「ああ、そうそう、こんな感じ」って納得できるくらいにはちゃんと再現はしてました。コピーしてもちゃんと笑えるものになるっていうのは、オリジナルのコントの構造がよくできてるってことですよ。対照的なのが、劇団ひとりの『浅草キッド』で、そっちもツービートの漫才再現はそれなりにやってるんだけど、そこまで全体の中で重きを置いてないんですよ。芝居もさることながら、概念としてのビートたけし(というか、誰も見たことのない若かりし頃のたけし)を創造していて、そこにリアリティを持たせる事を主軸としてる。だから即物的な再現する福田演出はペラく見えてしまうんですよね。予算も時間も違うだろうけど、あの『浅草キッド』を観たあとだと、比較もしちゃうし、どうにも退屈な「番組」になっちゃったなと思います。気になった方は、TVerで見逃し配信が無料で(CM入るけど)1/3まで視聴できます。まあ、正直言えば『浅草キッド』はかなりお薦めできるので年末年始に観るなら、netflixに加入していただいてそちらを観てほしいわけすけども。

● そう言えば、先日大泉学園行った時、めっちゃ不安な電柱があったんですよ。傾きすぎたんで、後から補強の電柱をたてたんだと思うんですけど、世の中は「行き当たりばったりにできてるもんだな」と。たぶん、ずーっとこうだったと思うんですけど気づいてなかったやつ。うちの近所の住宅街の電柱も、改めて見るとだいぶ傾いてるんですよ。心の余裕がある時に、電柱の垂直チェック、してみてください。想像以上に傾いてるから!

● あと、今日、我が家にも昨日発売のノコギリ一家の大作!「円谷怪獣デザイン大鑑 1971-1980 豪怪奔放」が届きました!!「帰ってきたウルトラマン」から「ウルトラマン80」までの怪獣のデザイン画の集大成。少なくとも現在確認できる全てが収録されています。もう50年も前の作品だったりもするので紛失してしまったものもポツポツあるんですけど、今後、何かの拍子に出てくるかもしれないけど、現時点でパーフェクト。しかも怪獣特化型なのでヒーローはなし、というところも潔いな!!まあ、オレ自身は仕事には関わってないんですけど、身内の本だからそのつもりで各所で自分のことのように自慢しよう。

● デカいものは一面にバーンと。小さくてもこのくらいのサイズなので、スケッチの内容を確認するには良いサイズ。キャプションも造形物との整合性など豆知識含め、意匠に特化して気が利いたものがつけられているので、一旦ページを開いたらどんどん読み進めたくなる怪獣デザイン大図鑑です。何しろ「アレがないじゃん!」というのがない(紛失してしまって世に出ていないものはあるけど)のもすごいし「こんなのもデザイン画あったんだ」という発見がめちゃくちゃにあるのもすごい。実際、造形物として好きじゃなかった怪獣も、デザイン画とキャプション合わせて読んで「あれ?この怪獣かっこいいな」と思うようになるきっかけが山ほどありましたよ。カイテイガガンとか、デザインで見るとかなりいい。

● ミラーマン、ファイヤーマン、ジャンボーグA辺りの、こういう企画でなければなかなかまとめられる機会がない怪獣も含まれていますし、10-4-10-10、トリプルファイターあたりのデザインワークも!ムクムクのキャプションに「可愛いく作ってください」とあるのがいい!!あと、最近円谷はクマクマアリスに乗っかって(?)ムクムクを推してきてたけど、デザイン画見て「これからくるのはガガンゴかもな」と思いました。

● ムックなんかでは数点掲載されているものもありますが、総括して円谷怪獣デザインを一冊にまとめたという意味では唯一無二ですし、物量もすごいし、信頼する「怪獣バカ」の人たちが作っていますので、テキスト面でも安心の充実感。怪獣ファンの方は是非とも買うべしです。

● あと、実際にめっちゃオレも書いてる年明け発売の「東映ヒーローMAX Vol.64」もよろしくお願いします。