● 食通というわけでもなし、グルメなんてものとはおよそ縁遠いくせに、食べるのが大好きなので、料理も楽しんでやるし、いろんなお店にも足を運びます。そういうスタンスの自分としては「人の言う美味しい」はあまり信用できない、ってことです。もちろん、味覚の似ている人の情報発信は大いに参考になるし、ちゃんとした料理を食べている人、作っている人の言う「美味しい」は最低限の担保になるわけですけど。でも、最終的にはやっぱり人それぞれ、なんですよね。そこにはやっぱり「思い出補正」があるから。
● 子供の頃好きだったものは家庭環境によるし、若い頃好きだったものには経済的事情もある。で、その「好き」は歳を取っても変わらないもんなんですよ。そう言う意味で「青春の味」ってあるんです。自分のお金で食べるものを取捨選択できる時期(ほぼ20代)の頃に出会って「美味しい」って思ったものって、味覚が変わっても懐かしいし、格別の味わいがある。オレの場合はやっぱり横浜で一人暮らしをしていた時代と、放送作家になって財布に余裕ができた(でも時間がなくなった)時代。この時期に「思い出の味」「青春の味」が詰まってます。「ぼてじゅう」の「ぶたモダン」しかり、「モンスナック」の「ポークカレー」しかり。ラーメンで言えば「吉祥寺ホープ軒」もそう。人によっては「キッチン南海」だったり「天下一品」だったり「熊本ラーメン 桂花」だったり、いろいろだと思うんです。多分グルメの人には鼻で笑われちゃうと思うけど、今食べてもあの頃の味がするし、美味いんですよ!
● そう言うジャンルの中で、小田急沿線、新宿界隈で過ごした30代にも「青春の味」があるんです。思い出横丁の「岐阜屋」「若月」(今はない)「かめや」あたりと並んで、9月いっぱいでなくなってしまうと言う、メトロ食堂街の2店「立ち食い永坂更科」と「万世ラーメン」。万世の方は秋葉原に行けばまだ食べられると思うんですけども、「立ち食い永坂更科」の肉天そばはどうだろうなあ……。冷静に考えたら、大して美味しいわけじゃないんだけど、当時は何度も食べたなあ。
● というわけで、今日は昼から個人レッスンの仕事で出かけたついでに、遅めの昼食をとろうとよってみたんですよ。

● もう、飾り付けも「お別れムード」……。

● そしたらあいにく夕方の時間帯は「立ち食い永坂更科」はお休み中!!でも、せっかくなので「万世ラーメン」にしました。

● 個々のパーコーつけ麺。なんか独特で好きなんですよお。相変わらず、味に変化なし!あの頃のままのパーコーつけ麺だ!!

● 1000円近くする割にはちょっと見た目が貧相な気もするけど、カリカリしたパーコーが美味いんですよ。つけ麺との相性、いいのか?って思いながら食べる感じもまた格別。なんかしみじみしました。今度は「永坂更科」開いている時間に来よう!!
● 横浜時代に、スカイビル1Fの変な焼きそば屋で食べた、クッソまずい(当時からそう思っていたけど、安かったから……)あのソース焼きそば。肉は豚コマですらなくひき肉だったし、キャベツすら入っていない。そして何と言ってもイマイチ味が薄い、安いウスターソース。質の悪そうな油を目一杯吸ってグダグダになったあの焼きそば!付け合わせの串カツも、ひどい代物だったなあ(でも、安かったから……)。できることなら、もう一回!もう一回だけ食べて、「クッソまずい」と一言言いたい!!
● 今のような気分を、世間では「エモい」というのだろう。