● 今日も調子よく朝からインタビュー取材。若手の監督さんだったのですが、にこやかな対応にこちらも気持ち能く質問が出来、充実しました。仕上げ文字数少なめだけど、しっかり仕上げよう!という気持ちになりました。こういうのは、本当に巡り合わせだからなあ。後は、いつものごとくひたすら文字起こしと原稿の整理。取り立ててなんだという事件もなく暑い1日が終わりました。昼に食べた生姜焼きが美味しかったことくらいかなあ。
● と、いうわけで、今日は先日作ったチャーハンの話。前に書いたことあったかと思うんですが、チャーハンを家で作る時のレシピって、「強火」であおって、水分を飛ばして、パラパラに、っていうのがお決まりで書いてあるんですけど、かなり現実的じゃないんです。あおる事で、水分を飛ばしてパラパラにするには、火力も足りないし、コンロも狭いしで、到底うまく出来そうもない。アレは、業務用並みのとんでもないガスのパワーと、クソでかい中華鍋を豪快にふれる大きなコンロが必要だからです。
● でも、家でもそこそこのチャーハンなら作れるんですよ。ただノウハウが違う。味付けは好みに調整できるから、なんならコストを気にして作るチェーン店のチャーハンよりは美味しく!いろんな方法があると思うけど、オレの場合は大事なのは、油の量と、卵と、順番がポイントだと思ってます。まず、油は惜しみなくドバッと入れる。チャーハン一人前につき、大さじ2杯。チャーハンは、英語表記でfriedrice。揚げ米ですよ。揚げるくらいのつもりで油入れた方が美味しく出来ます。え?カロリーが気になる?たかが200Kcalですよ。それがきついなと思う人は、チャーハンなんか食べない方がいいです。まずは大さじ1杯のサラダ油で卵を炒めます。Mサイズなら2個入れたい。フライパンで問題ないです。中華鍋は雰囲気は出る、でも、それだけ。それから、火加減は弱火!なぜなら、焦がしたくないからっていうのと、急激な温度変化をさせないため。ホットプレートでオムレツ焼いた方がふわふわになるじゃないですか、アレですよ。ここで十分に卵に油を吸わせて、半熟オムレツみたいな状態にしたら、ほかのお皿に取り出しておきます。これは後入れで、卵をふわっとしたままいただくため。
●さらに、大さじ1杯のサラダ油で具材を炒めます。今回は小さく刻んだチャーシューと長ネギみじん切り。ネギは青いとこだけ入れて、白いところはこれまた後入れです。これも弱火。急激な強火で焦がすより弱火で、じっくり火を通した方が旨味が逃げないんです。(強火で急激に熱すると素材の表面が火傷状態になって、どんどん水分と一緒に旨味も逃げて行く)なんで、中華料理屋さんは強火でいいのかというと、よく考えてみてください。お店って鍋が火から遠いんですよ。かなり上の方で鍋を振ってるんです。で、プロはすごい火力の熱波で火を通すんです。だから強火だし、鍋を振って、材料をさらに熱波の中を通す。あの火力に近づけて、じっくり焼いたら焦げちゃうんです。それが無理だから弱火でじっくりやる。科学的な考え方です。
● で、いい香りがしてきますので、そしたら白ごはんを投入。冷めたご飯が良いと言われてますが、要するにある程度水分が飛んでいる方が良い、というだけの話。硬めに炊かれたご飯なら暖かくっても大丈夫です。パックご飯だって、チンしてから5分もほっておけば大丈夫。チャーハンは、米そのものの旨さを味わう料理でもないので全然オッケーなんですよ。ここでのポイントは、とにかくご飯をバラす事。具材が油を吸ってるから、それを絡めながらひたすらご飯をしゃもじなどで切るようにしてバラしていく作業です。平べったく鍋肌に押し付けて置くと水分も飛んで一石二鳥です。中華料理屋さんは、おたまの背で、ガンガンご飯の塊を潰しますが、アレは強火で手早く作るためのテク。木べらできるように混ぜる方が簡単ではあります。あと、最近、生卵とご飯を搦めてから炒めるとパラパラに、っていうレシピも聞きますが、アレやると卵がボソボソになって、美味しさ半減だし、パラパラにはならないので注意。雰囲気に騙されないように。むしろ、食感が悪くなるだけです。
● で、あらかたご飯がばらけたところで、ざっと味付け。塩、コショウ。できれば化学調味料を大さじ一杯入れてください。うそ?っていうくらい中華料理屋の味になります。中華飯店の味にしたいときは、貝柱スープの粉末。最後に、半熟ぎみの卵と、ネギの白いところを投入して振った日、切るように混ぜます。
● 仕上げに、料理酒を回し入れて、あおる!(あおりたい人お待ちかね)これは料理酒をなじませつつ、アルコールを飛ばすのが目的です。この前ん時点でご飯がパラパラでなければ、いくらあおってもダメなんです。(なんども書くけど、強い火力頼みの熱波は家庭では期待できないから)科学的!!ここまで、弱火で問題ないです。むしろ、ここまで強火でやってたら焦げますから。これで、完成。大したテクがなくても、ちゃんと中華料理屋のチャーハンになります。
● ラストにちぎったレタスを入れてレタスチャーハンもあり。この場合は、レタスは料理酒の直前に。
● 家で簡単にチャーハンって作れるはずなのに、無茶なレシピがまかり通っていて、「それ、絶対家ではうまくいかないよ」って思ってるので改めて書きました。料理のウンチクが好きな人もいるけど、オレは料理のノウハウにまつわる理屈が好きです。理屈にあった作り方をすれば、ちゃんとおいしくできるはずだから。というわけで、みんなも家でチャーハンを作ろう!くれぐれもカロリーだの無化調だの気にしちゃいけないですよ。中華料理なんだから!