● 仕事終わりで『君の名は。』観てきました。予想していたより、だいぶ面白かった!観ていて、これまでの新海作品以上に胸がキュンキュンきた。これは「売れるぜ!」と思いましたね(もうすでに売れてるわけですけど)。
● そもそも、新海誠監督作品というのは、スペシャルにリアルっぽい(リアルではない)キレー!!!なビジュアルが、アニメ表現の超進化系だと思ってる反面、オレの中ではどうにも「セリフ回し」が「見ちゃいられないほど恥ずかしい」代物という印象なんです。正直「若い世代には付いていけんよ」と思ってたわけです。特に前作、「言の葉の庭」はその気恥ずかしさが抜きんでていてスゴイ!若い人のナルシシズムってスゴイ!と。多分、それまで以上にマンガチックな飛躍のない大人しい物語だったのが原因かなあ。「リアル感」が強調されればされるほど、あのポエムな(村上春樹っていう人がいるけど、そうなのか?)モノローグに違和感を感じちゃって・・・。アニメ、漫画の世界なら許せるセリフっていうのがあるけど、ビジュアル、設定のリアリティラインが上がると、それが許せなくなってくるというわけです。あんな事、生身の人間は言わねえよ!!って(実写ドラマでは成立しない。いや、実写でも「デスノート」だったり「シン・ゴジラ」だったりすれば大丈夫だ)。この違和感ゆえ、アニメを普段観ないような人にはとてもおすすめできるものではないというのがあったんですよ。
● で、今回は、そこが解消されていたのが大きいです。冒頭からマンガチックなニュアンスが全体を包んでるのと、描き方の都合で、モノローグがそこまで多用されていない。それが、気恥ずかしさのハードルをぐんと下げてくれました。あとは、謎解きというか、サスペンスというか、そっちの方への重心が重いから、これまでの「少年って言うのは繊細なんですよ」オーラが控えめ。結果、「こじらせてない」または「こじらせ終わった」中年でも、物語興味で引っ張って行ってくれるんですね。それが良かった。鬱屈した青春、何かが壊れていきそうな怖さ、あたりは健在でありながら、これまで以上に幅広い層が「楽しめる」ストーリー構造を乗っけられたというところが、素晴らしいんじゃないですかね?新海誠の特性である「おセンチ」が、より広くに伝わる「おセンチ」に転換できてると思いました。年に数本しか映画見ない、って知人にも進めやすくなりましたよ!これなら細田守と戦えるぜ!
● トータルで言えば、個人的には、これまでの新海監督の作品の中で一番好きだ、ってことです(細かいところで、え?何でそうなったの?みたいな疑問点はあるんだけど、多数の観客的には些細なことなんでしょうね)。細かいディティールの積み重ねが素晴らしい映画もあれば、ざっくり面白いから細かいとこには目を瞑るぜ!な映画もある。代わりに、ビジュアルの尋常じゃない度合いは「言の葉の庭」よりだいぶ薄まってる気がしましたけど、そこ目くじら立てるとこじゃない。忙しくて、今回はTwitterほかレビューなんかよくチェックしてないんですが、あれはどうなってんだ?そんなにうまくいくはずがない!とお嘆きの真面目派も一定数出てくることは十分に予想されますが、そこも然り。うるさ型の皆様に至っては、存分にやっていただけば良いです。ツッコミどころはあると思いますので!
● ちょっと気になったガジェット。iPhoneをビューファインダー&操作パネルとして使うデジカメ「DxO ONE」。とにかく f/1.8 のレンズ(32 mm 相当)に、1インチのCMOSセンサーというのがすげえ。サンプル見る限り、デジ1眼と遜色なしの高画質。接続も簡単っぽいし、スタンドアローンにすれば、防水ハウジングにも対応。これで値段がどのくらいになるか?だな。