● 先日から、読み始めてみたら、キャラクターの言動が全く自分に合ってなくてムズムズしながら読んでいたミステリ『その殺人、本格ミステリに仕立てます。』を読み終わりました。大枠のプロットは入り組んでいるところが、良い方にも悪い方にも出ちゃってる感じ。全体がトリッキーな構造が故か、メインの謎解きがせせこましく感じて、読んでるうちに「そんな整合性どうでもいいや」ってなっちゃう。オチも自分は「こうなんだな」って確定しちゃった感じだったし、多面的に「カタルシス」に至る道筋がなかったのが残念でした。

● そんなことより、何より、主人公はそこそこ頭はキレるミステリマニアの女の子なんだけど「うっかり」が多く、メインストーリーに干渉しちゃう、という役どころ。ムードを明るくするためなのか「うっかり」をやっても悪びれず「だって仕方ないじゃないですかぁ」みたいなリアクションで進行していくので、どうにも応援できないキャラクターになっちゃってるんですよ。これが一番きつかったかな?オレには全くダメなタイプ。もう、お話やトリックの良し悪しですらなくなっちゃう。いっそ、もっとニュートラルでいてくれたら……。

● さて!これで、やっと『哲学者の密室』の再読に取り掛かれるぞ!と思ったら、明日が最新刊『煉獄の時』発売日だったのか!遅すぎましたね!!

● きかんしゃトーマスが大胆にリニューアルするんだって!最初にトーマス見た時は「なにこれ、怖!」って思ったけど、どんどん慣れて、なるほど海外の子供向けってこういうことだよな、と納得してたんですよ。テレタビーズだって、ちょっとそういうところがあったし。新しいトーマスはなんというか、めちゃくちゃフィルターかかったスマホ自撮りというか……。まあ、それも時代の要請なのか。親しんでいた人たちにとってはなんだか寂しいものがあるんじゃないかな。

● そうだ、石井いさみが亡くなったんだった!『750ライダー』は結構、読んでいた記憶がある。序盤戦のみハードだけど、すぐにほんわか風味が漂い始めて、ああいう作品になったんだけど、それはそれで中学生の自分には楽しめちゃったんです。理由は、委員長!!オレにとって『750ライダー』は、あだち充の「ヒラヒラくん」(中一コース)とか金井たつおの「ホイールインワン」水島新司の「野球狂の詩(水原勇気)」と同時期で、出てくる女の子が可愛いマンガだったから。あの「委員長」ってヒロインとして何か大きな運命を背負っているわけではなく、おてんばで主人公を助けるような相棒でもなく、ただただ「癒し」としての存在。少年漫画の美少女文脈において、オレは『750ライダー』の委員長は外せないと思うんですよね。漫画誌に詳しい人からはいろいろご意見もあろうと思うけど、あの「委員長」は、数年後の『マカロニほうれん荘』『すすめパイレーツ』の美少女たちのプロトタイプにも思えてきます。

● もうひとつ『750ライダー』の位置付けとして「ナイーヴ、かつリリカルな雰囲気青春もの」というジャンルが読者に受け入れられる、という実績を作ったところだとも思っています。青春モノと言っても『愛と誠』のようなドラマチックな物語でもなく、上村一夫の『同棲物語』ような苦い挫折物語でもなく、幸福感のある日常の、些細な出来事で心が動く、ああいう雰囲気。その象徴が委員長なんですよ。その成功って、あの時代の読者層の心情とマッチしていたというのが大きくて、後のあすなひろしのデビューにも通じるだろうし、そのアシスタントをしていた立原あゆみ(その頃は極道ものじゃなく少女誌で青春ものを書いていた)、同じチャンピオン枠なら小山田いくにもつながる。いわゆる「ラブコメ前夜」の青春漫画として、すごく重要だろうな、とも思っているのです。作者ご本人はハードな指向があったみたいなので、それは本意ではなかったのかもしれないけれど、エポックメイキングな作品だったに違いないと思うんです。

● なんかたまたまなんだけど、今日はキャラクターの話に終始しちゃった!

● 今、予備申請中なんですけど、怪獣はりこの新作のひとつ。なんかお魚持ってめでたい感じが「はりこ」っぽいかな?と思って作っています。他にもう一体進行中。予備申請はなんとかなると思うけど、これで本しんせいを通過できたらいいなー。