● 夜は足元が寒い!もう、ほんの少しだけあった快適な日々は戻ってこないの?!

● 志村けんとドリフの物語をドラマにするって?!志村役を山田裕貴っていうのは、今売れてるし、別に驚きも不安もないんですけど(「ギブケン、ドラケン、志村けん」ってTwitterで100人くらいが言ってる印象)、脚本・演出は福田雄一っていうのが驚いたなあ。そして不安しかない。イザワオフィスから怒られたら面白いのにな、とか不謹慎なことしか考えつかないよ!

● 去年の「このミステリーがすごい!」第一位、「本格ミステリ・ベスト10」第一位にもなってた、『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を「煽り過ぎの帯文にイヤな予感しつつ」ついに読んだんです。読後は「ははあ……こうの感じの話か」と。最近読んだ『硝子の塔の殺人』だったり麻耶雄嵩の『隻眼の少女』だったり、天然美少女をヒロインに据えた「メタライトノベル」みたいなタイプの「類書」として消費してしまった感じがあります。とはいえ『隻眼の少女』も『硝子の塔の殺人』も、キャラクターは類型的アニメキャラみたいな雰囲気があるにせよ、描かれる不思議な犯罪も「ザ・本格推理」的なギミックのあるものなので、トータルで「本格パロディ」として読んでいく面白さがあったんです。ところが、『medium』に関しては、前二作品以上にキャラクター描写がイヤになる程あざとい美少女アニメ、美少女ゲーム的。そして犯罪と謎解きは地味ということもあって、読み進めていくのがキツいんですよ。「全てが伏線」って言われているくらい、作者としては意図的にそうしているわけですが、「オチのために読んでいる道中がキツい」って本末転倒すぎませんか?イヤな予感が的中しちゃったな。

● それと、評判のラストのどんでん返し。これが、二重の意味で露悪的で「あ〜あ」って感じだったので、レビューで「読後感が悪い」って書く人が多いのも頷けます。印象としては、あだち充の漫画を読んでいたらラストがダンガンロンパだった、みたいな……。『午前零時のサンドリヨン』みたいな牧歌的な青春ミステリ(個人的にはそこまで楽しめなかった)で鮎川哲也賞をとった作家が、意表をついて繰り出してきた強烈なフックだと解釈することにします。これって、実験的なことをやろうとした90年代のエロゲー文化と同じなんですかね。著者の執筆期間的に、その中程に入るであろう『マツリカ』シリーズはどうなんだろう?未読なんだけど、ひょっとしてバランスが良かったりするのかな?

● で、気を取り直して『DUNE/砂の惑星』ですよ!

● まあ、原作小説自体『スターウォーズ』のアイディアのソースにもなっているようなものなので、スターウォーズは、よりエンタメ化された「DUNE」と言ってもいいし、逆にデューンは、地味なスターウォーズと言ってしまってもいいんじゃないですかね。だから、今回のように原作のイメージに忠実に作ると、観てテンション上がるような部分はどうしても作りにくいとは思うんですよ。

● デビッドリンチ版は、妙にまとめたら、何かヘンテコな映画になっちゃった、みたいな映画だと思うんですよ。それに、お世辞にもデザインはカッコいいとは思えなかった。ところが今回は、妙にまとめず(なんたって最初のタイトルのところでPart Oneって出てびっくりしたんです。2時間半もあるくせに、ハナから「第一話ですよ」宣言)やけにのんびり落ち着いてやってるから、遠い未来の舞台設定もわかりやすいんです。そこは「スターウォーズ」との一番の違いですから大事なところ。ep4って「ルーク個人のモチベーション」が軸になってるので、世界観わからなくても観ていられるんですけど、duneの場合は「ポールが世界を変えようとする」って話なので、世界設定がわかってないとチンプンカンプンになっちゃう。その点は今回、なんとかクリアしてると思います。

● で、デザインは旧作に比べて超かっこよくなってました。オーニソプターとか超かっこいい。旧作の味わいが好きな人には申し訳ないけど、ファッション、小道具、今回の方がグッとスタイリッシュだし、お金かかってるし。ポール役のティモシー・シャラメの王子様っぽい感じの美少年ぶりもいいし(カイル・マクラクランは当時の美青年代表だったかもしれないけど)、ハルコンネンまでカッコよくなってた。とにかく、ビジュアル面を楽しむ映画になりました!って感じです。

● 予告編で見て初めて知ったんだけど、エドガーライトの新作って、ホラーなのか!『ラストナイト・イン・ソーホー』。この調子で、ホラーってユニークだな。主演のトーマシン・マッケンジーがお人形みたいで可愛いぞ。『クイーンズ・ギャンビット』のアニャ・テイラー=ジョイも出る!

● 今夜も引き続きテキスト仕事の続きをやってます。分量が多いので、ちょっと長丁場になりそうです。