● 今日は水曜で新宿のTOHOシネマズは1200円。で、楽しみに1年も待った『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』に。時間が合うのがドルビーアトモス版だったので追加料金200円取られたけども、安くて良かった。しかも、この映画、サウンド面で凝っているところが多々あって、音響関連については恩恵大きかったと思います。ちなみに上映時間2時間半以上ありますけど、ダレないので大丈夫!

● 印象をざっくり言えば、ずいぶん家庭的なジェームズボンドだったな、という感じ。後半戦は、もう「ダイハード」のブルースウィリスとそんなに変わらないくらい家庭的。その理由といえば、時代というか、「いわゆるポリコレ」がクラシックなキャラクターを殺した現実だと思うんです。もう、酒と女遊びとギャンブルが好きで、っていうキャラクターにヒーローを任せてはくれない時代でしょうから(それはそれで、もったいない)。だから、エンターテインメントとして一本の映画にするためには、別の立ち位置が必要ってことでしょう。あとは、ダニエル・クレイグ版からは、割とリアリティラインが上がってきて、荒唐無稽なスパイアクションではいられなくなったというのも一つの要因になっていると思います。この2つの要素をバランスをとりながら探り当てたのが、今回のジェームズボンド像。「いわゆる007」ではないニューヒーローのシリーズが固まってきたと思ったら、これがラスト!それだけにラストはしみじみしちゃいましたね。今回の肝になっている超兵器、実に007らしいギミックのちょっと荒唐無稽感なやつなんですけど、ジェームズボンドの運命とオーバーラップさせているところもあり、そこはドラマ的に憎いな、と感心しました。

● ネタバレ!って怒られるから、ほどほどのことしか書かないけど、監督がキャリー・フクナガという日系アメリカ三世ということもあってか、後半戦は異様に「日本」っぽいんですよ。北方領土に、畳の部屋に、土下座に……。敵の基地も、え?安藤忠雄?ってくらい現代建築。本気でエンドクレジットで安藤忠雄出てこないか探しちゃいましたが、出てきませんでした。そのくらい「住吉の長屋」とか「水の教会」とか、想像させるイメージです。

● 見どころは、予告編でひととおり出ちゃってるんですけど、一番は、女007と相乗りするかっこいいグライダー。それからキューバで共闘するCIAの女エージェント(『ナイブズアウト』でゲロ吐きやすいヒロイン役)のセクシーな可愛らしさ。それと子役、マチルドちゃんの上手さ!『スペクター』のバランスの悪さ、期待したら「え?それだけ?」みたいな尻すぼみな淡白さと比較したらイベント盛りだくさんで十分面白かったと思います。けど、物語の結末も、ダニエルクレイグシリーズのラスト、ということもあって寂しさの方が大きい作品でした。007新シリーズ、どんなテイストでリブートさせるんだろう?それが楽しみです。

● 上映前、『エターナルズ』と合わせて『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の予告編が見れたけど、思ったよりカジュアルな感じなんですね。もうちょい、ダークファンタジー気味なのを期待してたんだけど、やっぱりアメコミ映画は全年齢対象にしないと興行収入的に厳しいんでしょう。いずれにせよ、本家ディズニー製作のマーベル作品と比べると、微妙にジャンク感があるのが特徴なのかも。ソニー製作のマーベルものとして『スパイダーマン』『ヴェノム』は早く関わりを見せて欲しいし、その後に控えている『モービウス』のビジュアルがむちゃくちゃ気になってます。

● 映画帰りに歌舞伎町の裏側で、ミニラのアートが描かれた配電盤を発見!これ、西武新宿線に乗ってる時によくポケモンGO(まだやってる)のポイントに出てくるやつだ。近くで見たの初かな?

● この通りは、新宿のTOHOシネマズの近所ってことで、企画で配電盤をゴジラアートで飾ってるんですよね。近所にヘドラもあるよ!

● 写真に撮ると仏壇のようにも見えるなあ。