⚫︎ 今日は、向学のため友人の取材見学。自分の仕事とは、主旨もスタイルも違うので、どんな雰囲気で行われるのか?が気になっていたんだけど、なるほど、と。見学とは言いながら、俺だったこうしちゃうな、とか、この先、こう進めるなとか、脳内シミュレーションをしながらだったので、いい意味で疲労感ある体験になりました。こういう機会ってそうそうないので勉強になる。もっと、他人の取材仕事とか見てみたいなあとか思ったりしました。

⚫︎ ここ一週間、イベントだの、取材だの、見学だのと立て続いたので頭の中を整理するきっかけにもなったりして、お金にはあまりならなかったけども有意義だったと思います。やっぱり、完成された作品や、番組、記事から、現場を類推するのもいいけど、たまには、こういうのもいいなあ。

⚫︎ そんなわけで、今日は日記というよりうも、いろいろあって考えをまとめるために書いておくことにしました。構成作家という仕事は、何をする仕事なのか?ということ、わりと理解されてなかったりするので、そんな話です。

⚫︎ 構成作家はだれよりも臆病だ。構成作家の仕事って、「面白いもの」を「どうやって面白く伝えるか」というのが9割だ。例えば、面白い人(わかりやすく言えば「芸人」「出演者」でもいい)を、そのまま見せてもたいがいは何も起こらないし、面白さが伝わらない。たいがいが「で、何?」になってしまう。人様に娯楽としてみてもらうのに、これは最悪だ。これが「サムい」という状況だ。多くは、「面白くない」と烙印を押されて、面白いはずの人が大損する。さらには制作者側の姿勢、スキルを問われる。なので「じゃあ、そこに落とし穴を掘りましょう」ということを考えるのが、作家の仕事なのだ。上手に落ちて(これは出演者の仕事だ)、面白いリアクションを見せてくれれば、それでいい。もちろん、出演者の個性によって「落とし穴」では「サムく」なるケースもあるので、その場合は「梯子を置きましょう」だとかシチュエーションを変えてあげる。大雑把に言えば、これが構成作家のやるべきことだ。

⚫︎ 本来、それはディレクターやプロデューサーの仕事の範疇でもあるんだけど、中には、そういうことが苦手なディレクターもいたりするので、その補佐をするというわけだ。そういう場合でも、ディレクターからは「出演者」の「情けない顔が最高」とか「どや顔がいいんだよ」というビジョンが提示される。作家は、それを聞いて吟味し(なので、最初の批評家でもある)、その希望に沿うには「穴」がいいのか「梯子」がいいのかを考え、企画や、台本として提案するわけだ。そのロジックが、ディレクターに伝わらない場合が一番きつい。主導権はディレクターのものだからだ。関わった仕事で、自分が納得できないロジックを強行されることだってあるわけだ。それも、まあ仕方ない。この段階では、ディレクターのお手伝いさんだからだ。

⚫︎ ただし、現場に入れば立場が変わる。ディレクターが何といおうと、世間にさらされるのも、穴に落ちてくれるのも出演者自身なのだ。ディレクターのアドリブや、準備不足から出演者のポテンシャルが発揮できなくなりそうなピンチも訪れる(わりと頻繁におこる)。その場合は、最終的なゴールを見据え、効率の良い方法論として、作家は出演者を守り、最低限のポテンシャルを発揮できるように調整役に入るわけだ。ディレクターのお手伝いから一転、寝返って、出演者の連帯保証人になり、アドバイザーにもなるのだ。経緯はどうあれ「面白ければいい」のだ。「面白い!」という観客からの拍手は、出演者や、ディレクターがうければいい。作家には、いくばくかの賃金と「面白く見せられた」という自己満足が残る。ささやかな報酬だからこそ「つまらない」「サムい」結果だけは避けたいのだ。臆病にもなる。こうなった場合は、こう、ああなった場合はこう、と脳内シミュレーションをして準備して、企画に極力保険をかけるのはそのためだ。実際、そのシミュレーションにはかなりの思考時間を割くケースが多い。

⚫︎ 最初に「面白いもの」を「どうやって面白く伝えるか」というのが9割だ。と書いたけど、残り1割が何かというと「面白くないもの」を「面白そうに伝える」ことだ。これがしんどい。ストレスになる。たいがいのものには「面白い」側面があるから、それを発見すればいいともいえる。見つからない場合でもお金のため、やるのだ。

⚫︎ 3/13(金)に、『僕たちはメカアニメジェネレーション~鬼才誕生直前SP~』という番組が放送されるそうで、これ、先日発表があった「僕たちの見たいメカアニメをつくろう」というプロジェクトの特番なんですね。正直、どうなるのか不思議な感じがしているんですが、フジテレビ、主導なので最終的にはなんらかの「作品」としてのゴールだけはあるんだろうな。特番には富野由悠季監督が出演とのことで、そこもまた注目なんですが…あれ?放送時間が25時50分~26時50分・・・、金曜のその時間って「Gのレコンギスタ」の裏番組じゃないか!!どっち観ればいいんだよう!!(ノД`)

⚫︎ 「スマホでUSEN」ってアプリがあるの知らなかった!すげえな、と思ったのは、優良なんだけど一ヶ月定額490円で、1000以上のチャンネル聴き放題という仕様。なるほど!!これは、かなり良い気がする!USENの既存のコンテンツの売り方としては正しいなあ。ちなみに「店舗等でのBGMとしては著作権処理上ご利用いただけません」とのこと。Spotify(世界中で猛威を振るっている音楽配信サービス。こっちは約1000円で2000万以上の登録曲を端末で聴き放題)の上陸も、いよいよ近づいてきていると思われるので、打てる手は今のうち打っておこう、ということなんだろう。