2006-10-18「これがスイスだ!」

●スイスらしくないジュネーブを後にして、今日は山の麓の街「クール」まで。地理的にジュネーブがスイスの西端で、クールはほぼ東端です。ジュネーブ駅で「クールに行きたい」と言ったら、駅員のにいちゃんが「それなら8番線!あと13分後に出るよ!早く早く!」と言うので、スーツケース引きずって焦りながらIC(インターシティ)に乗り込みました。たいした確認もしなかったけど、どうやら、この列車はクール行きではなく、チューリッヒ方面行き。チューリッヒで乗り換えてクールを目指すという事が、検札の捨象さんから聞いて判明しました。直行便でもないなら、そんなに急がせなくても良かったのに(ノД`)

●で、まずは3時間かかってクール近くの街にある都市、チューリッヒ下車。さすが、ジュネーブに次ぐ有名都市だけあって、駅は立派(ジュネーブよりデカい)。

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●ちなみにスイスの国鉄はどこ行っても、この「モンディーン」のが置いてありますね。なんだか、可愛らしくて好きです。

●昼飯は、キオスクで買ったピザと洋梨のソーダ。ピザが食いたいわけじゃなかったんですが、他のチョイスは、またまた冷たいサンドイッチしかなかったので仕方ないです。あと、マルボロ(ハイライトの代役)は、何かスペシャルバージョンで黒いボックスのを出されました。中身は赤マルボロと一緒ですが、なんかダンディーすぎてくすぐったいパッケージです。ちなみにタバコの値段はロンドンが一番高くて約800円。ドイツは約400円。フランスが約600円。スイスは約500円くらいです。日本はやっぱり安いですよ。

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●それから走り出す事、数十分。車窓が!車窓が!スイス!!スイス!!!これ、スイスですよ!!!!

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●写真に撮れなかったけど、ヤギだの牛だのが見えます。うわー、オレとうとうスイスらしいスイスに来たよ!!と、いうわけで盛り上がったまま1時間でクールに到着。観光案内所は、すごく親切だし、駅前からいきなりデカい山が見えるし、一気にご機嫌に。たどり着いたホテルは、レストランもやってる家族経営のホテル(写真は夜撮影したもの)です。

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●フロントには、スイスっぽさを盛り上げる「ハイジ」の絵本のディスプレイ!

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●あれれ?カタカナで「ハイディ」って書いてあるけど、可愛いからまあいいや。レセプションのお姉ちゃんが、これまたフレンドリーで、親切。部屋はシングルが空いてないのか、ないのかわかりませんがツインルーム。シンプルかつ、無線LAN完備で言う事なしです。ただ、問題はコンセントがない(笑)仕方ないんでテレビのひっこぬいてパソコンつなげました。

●夜はホテルのレストランで「おすすめを下さい」という無謀注文(たぶん庶民的なんでそんなに値段もしないだろうという予測)。出て来たのはジャガイモ(また〜?)薄切りの上にハムとチーズを乗せてオーブンで焼いたっぽい料理。

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●味は、見た目のまんま。まあスイス第一日目としては満足です。夜7時には近所の教会の鐘がゴーンゴーンうるさいくらいに響き渡ります。これもまたオレの思ってたスイスっぽいなあ。

●ラストはホテル近所のスーパーで見かけたポッキー(現地名は「ミカド」)。

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●しかし、ドイツでも、イギリスでも、フランスでも売ってたなあ、ミカド。グリコの世界的大ヒット商品ですね。

2006-10-19「流血の夜」

●スイスっぽさに満足して、なんと今日は寝坊。起きたらもう10時。ホテルの朝食時間終わっちゃってました。とにかく、この街はあくまでスイスの山岳鉄道への乗り方、目的地、詳細を調べ、決めるための中継地点なので、目的も特になし。観光案内所でのリサーチがことのほかスムーズだったので、一日中散歩しながらダラダラしてました。とにかく気持ちのいい街。今日はちょっと寒いですが。
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●近所の山にロープウエーがあったので、行ってみたら「休日しか動かない」との看板。がっくし。かなりスイスっぽいと思ったんですけどねえ、ロープウェイ。

●街歩きの中、ふと目をやると釣り竿とかリールとか並んでたので「釣り具屋さん」かなーと思ったら、その奥に猟銃(笑)。魚、獣の「狩り全般屋さん」でした。普通に銃、買えるんですね。スイスはアメリカを越えて世界一の「銃保有率」の高い国。常備軍がないんで、成人男子はみんな数回は予備兵役で訓練に参加。その結果、銃を支給されているわけで、一家に一丁は銃があるんですね。有事の時には、国民みんなが銃を持って集合!という、特殊な国家なわけです。平和の国。永世中立国。決して「のどか」なだけじゃ実現しないっつー事です。

●こちらは昼に食べたスイスの庶民料理らしい「謎の物」。

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●チキンライスにズッキーニが入って、チーズが乗せてあって、オーブンで焼いてあるという料理。ライスはかなり固めでパエリア風ですが、まあ、親しみやすい味かも?ビジネスマンとか、近所の奥さんとか、これを大盛りで注文してガンガン食べてました。

●クールの街は歩いても30分で一周できてしまうくらいの小ささですが、スイスらしく、でっかい「COOP」(生協?)があります。チョコレート売り場はさすがスイス。とにかく凄まじい気合いの入り方です。

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●そこで今日はスイスらしくチョコレートや、スイスっぽいお菓子を買い込んで一人試食会する事に。

●ちなみにCOOPのおもちゃ売り場で見かけたプレモの「シンデレラ」が気になりました。

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●シンデレラ!!いくら12時だからって、サンダル脱ぎ忘れちゃダメだろう(笑)

●あと、同じくCOOP隣にあるスーパー(つか、一応デパートなのか?)の4階DVDソフトコーナーには、またまたハイジ、そしてビッケが!

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●パッケージをリライトするのはいいんですが、もうちょっと可愛く描けなかったのかと思う。こちらは16話入ったボックスで約1万円。日本に近い値段設定。うーん、やっぱし先日ジュネーブでみかけた激安全話入りはパチものだったんでしょうか?パッケージを見る限り、こっちの方がパチもの臭がするという気が・・・。ビッケのDVDは日本でリリースされてるんでしょうか?見たいなあ、ビッケ。

●それにしても、スイス。気のせいか街を歩いてる犬は「毛もじゃ」ばっかり(笑)。

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●こけしの師匠の尚子さんに言ったら、たぶん「ほら、寒いから」と、真顔で言いそうな気がして(勝手に想像)一人でニヤニヤしてました。尚子さん、ごめん。

●夜は再びホテルのレストラン。今日はラムステーキをいただきました。イマサラ考えたら、食事は常に一人っきり。やっぱし、誰かと一緒に食べた方が楽しいですね。ほんと実感。

●夜、一人で3枚の板チョコとスナックチョコ2個を食べ比べてた(2勝3敗)ら、なんだか鼻水?あ、肌寒かったので風邪でもひいちゃったかな?ヤバい!とか思ってたら・・・鼻血(笑)チョコ食い過ぎたな。

2006-10-20「えー、今度も違うの?」

●朝、気持ちよく目覚めて今日はスイスの山岳地帯の街サンモリッツまで移動。夕べ、ネットで格安ホテルを見つけたので準備は万全!ここからはスイス国鉄の正規ラインから外れて、レーティッシュ鉄道ってのに乗ります。

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●クールからサンモリッツまでの移動は、普通列車としては別格の絶景続き。蛇行しながら進むのが分かるのですが、徐々に山を登っている感じ。とにかく、電車が進むにつれすさまじい光景が広がってきます。テレビでやってる「絶景番組」は、いわゆる「名のある絶景」を紹介するのが基準(これは、タイトルがキャッチーにうたえる事が一番のメリット。端的に「見たい」という気分にさせる事が重要なので仕方ない)になってますが、ここには「名もない絶景」があります。最も、常に移動し続けるために、絵はがき的なショットにならないもどかしさがあるのも事実ですが。
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●個人的に「絶景を見る」ための旅でもなかった(ことさら興味もなかった)のですが、確かに良いものです。大自然の美しい景色とか大好きな人なら、迷わず「スイス」へ行ってくれ!と断言しておきましょう。ちなみに、途中変電所のカラーリングがカッコよかったので撮影。

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●ダレも撮らないよ、こんな物(笑)と思いながら、オリーブグリーンのカラーリングにほれぼれしました。

●さて、サンモリッツに到着してみたものの、駅のまわりは何もない、まさに田舎町。たぶんシーズンになれば、スキーヤーたちの中継地点として多いに賑わうのでしょうが、今は地元の年寄りと子供くらいしか見かけません。この街にやってきた理由は、世界最標高を誇る鉄道「ベルニナ急行」に乗ってイタリア方面へ抜けようという計画のため。観光客に人気の「ベルニナ急行」のパノラマカーは、シーズンオフですが、同じルートを通る普通列車なら今も乗れるの出そうです。(パノラマじゃなくてもいいや、この際)

●と、いう事でいざホテルへ移動と思ったのですが、観光案内所で道のりを訪ねたところ「あ、そのホテルは次の駅っすよ」との事・・・。ジュネーブに続き、格安ホテルを選んだがゆえの失策(泣)、結局、予定より早く「ベルニナ急行」に乗り込み、ひと駅だけ移動するはめになりました。滅茶苦茶効率の悪い旅人です。

●隣駅は、さらに何にもない(笑)。売店のおばちゃん以外は人もいない。

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●天気の良さが逆に寂しさを倍増させてる気が・・・。現時点で標高は1700メートル。クールが500メートルレベルだったので、電車移動2時間で、1000メートル以上上がって来た事になります。確かに外を歩いていると昼間でも空気はかなり冷たいです。売店のおばちゃんからホテルまでの道を聞き出して、歩き出したんですが・・・オレ、何しに来たんだこの街に。

●着いたホテルはもろスキーヤー向けのホテル(サンモリッツ側からとは違ったゲレンデを滑るためのゴンドラが出ている場所で、要するにスキーヤーの中継地点なんですね)で、これまた今の時期に客なんていないです。半額にもなるわけだ(ノД`)。夕飯はまるでゲレンデの食堂みたいなテキトーな盛り合わせ料理。美味くも不味くもない。

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●ああ、二泊予約しちゃったけど、もう早々に立ち去りたい気分。

2006-10-21「世界の頂点らしい」

●ベルニナ急行(正確には同コースを走る普通列車)に乗るためにやってきたサンモリッツですが、ホテルは何と隣駅のセレリーナという街。移動日に余裕を持たせていたため、今日はどうして良いのかわからず。とりあえず、絶景で人気の街(キャッチコピーは「Top of the world」)、サンモリッツまで、電車で移動します。これが、1時間に一本しかないんで無駄に時間を食う(笑)

●サンモリッツに着いてみたものの、あいにくのオフシーズン。しかも今日は曇り空。昼食を食い終わったあたりで小雨まで降り出しました。街の中心部まで続く坂道を上って行きましたが、ほぼ店は閉店状態。人の気配がありません。ケーブルカーの標識を見つけたので、これで「世界の頂点」を名乗る山の上まで行ってみようと思ったのですが、なんとケーブルカーもお休み

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●タイミングが悪くて世界の頂点に立てなかった男(泣)

●駅前まで再び坂道を降りて行くと、途中に「サンモリッツ・ガラリエ」というガラス張りの建物を発見。何かと思ったら、サンモリッツ湖の展望施設らしい。高低差約50メートルを長〜いエスカレーターで降りると、見事に湖が開けてました。しかも、急に日が射し始めて・・・

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●ああ、やっと「絶景らしきもの」が見れました。

●湖のほとりを散歩しながら、次のセレリーナ行きの電車まで時間つぶし。何もしていないもどかしさも半分、世間的に見たらオレはとても贅沢な事してるんだなあと思いました。でも、今や日本に帰ってやりたい事(仕事じゃないのが問題なんですが)が山ほどあるため、個人的には、何かしていないと落ち着かないのです。

●駅周辺の駐車場に見た事のない標識がありました。んーと、女性専用スペースなんですかね?

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●午後は、セレリーナに帰って駅近所にある公園へ。遊んでた子供と一緒にシーソー乗ったり、滑り台で遊んだり・・・。

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●平日の昼間からブラブラしてるオッサンは、変質者に見えたりしないでしょうか?大丈夫でしょうか?

●今更ですが、サンモリッツ周辺は、言語がすごく入り組んでいて、標識なんかはほとんどドイツ語ですが、街角のあちこちで、チャオ!だのボンジュール!だのボンジョルノ!だの、色々と聞こえてきます。お店や、場所によって言語が違ってるみたいな感じ。住民はかなりのバイリンガルと見た!

●あと、ホテルの部屋とはいえ2000メートル級の標高なので、パリで買って来たカップヌードルの蓋がパンパンにふくれちゃってます。気圧すげえ。

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●と、いうわけで今夜はカップヌードル(超ごちそう!)と、バナナ(またか)と生ハムが夕飯です。スープ全部飲みました(日本ではありえない)。

●明日は、再びサンモリッツまで行き、そこからイタリア北部の街ティラーノを目指して「ベルニナ急行」に乗り込みます。

2006-10-22「がっつり移動日」

●今日は、スイスを後にしてイタリアのミラノへと移動。サンモリッツ発ティラーノ(イタリアの街)行きの列車を時刻表で調べたりなんかして(さらにはセレリーナからサンモリッツまでの時間も)準備オッケー。午前11時05分の列車でサンモリッツにつくと、30分後の11時35分にティラーノ行きに乗り継げるはず!と、いうわけで、サンモリッツまで到着。そういやあ、このレーティッシュ鉄道は、箱根登山鉄道と「姉妹鉄道」なんだそうで、ホームに日本語の看板がかかってました。

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●駅のスタンドで昼食を取ってから念のため窓口で確認してみると・・・。「30分後にティラーノ行き来るけど、ミラノまでの列車はすぐ来ないよ」とのアドバイス。えーっ!!!確かに、ティラーノ発ミラノ行きは調べてませんでした(リサーチ甘過ぎ)。で、結局、窓口のおにいちゃんおすすめの12時半の列車に乗る事に。

●いよいよ、目的の「ベルニナ急行」の旅スタート!サンモリッツに来る途中も素晴らしい眺めだったけど、さすが観光客に人気のコースとあって、こちらはさらにその上!!雄大!絶景!スイス!カッチョいい橋なんか渡ったり、見所満載。

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●列車は蛇行しながらぐんぐん標高を上げてゆきます。

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●で、行く先に見えて来たのは・・・霧?いやいや「雲」です。標高が上がるにつれ、雲に向かって突き進んでゆくのです。気がつけば、最標高2500メートル。雲の中でした。

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●約3時間の行程でしたが、飽きる事無く「絶景アトラクション」に見とれていました。こりゃ、人気なはずだ。でも、今はオフシーズンなので列車はガラガラ。オレの乗ってる車両は一人渇しきり状態でした。で、快適にティラーノに到着。

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●駅前にも何もない、本当の田舎駅。改札では当然パスポートチェックもありました。さあ、ここからがイタリア。歩いて30メートルにイタリア鉄道の駅があります。で、問題はここから・・・。

●なんと、乗り込んだのはフツーのローカル列車なんですが、何故かミラノへ向かうにつれ、学生たちが続々と乗り込んで来て、駅を4つ、5つすぎる頃には超満員。みんな大荷物(トランクとかリュックとか)を抱えてます。理由はよくわかんないんですが、みなさん旅行帰り?(今日は日曜日ですもんねえ)スーツケースとショルダーバッグ抱えたオレはなんだか迷惑な感じ。席のない学生はデッキに座り込んで、まるで年末の帰省列車みたい。おまけに窓の立て付けが悪く、風がビュービュー吹き込んできます。こんな調子で、またまた3時間の移動。えー、トイレに行きたくてたまりませんでした。

●ミラノ到着は夜の8時。

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●ミラノ中央駅はすげえ混雑ぶりでした。イタリアの治安の悪さをさんざん聞いていたので、泥棒、スリ、ひったくりに用心しながら両替。そしてホテルへ。乗り継ぎ含めて約9時間の移動に、もうへとへとです。

●最後に、サンモリッツの駅で見つけた「巨大犬、ジョリイ(勝手に命名)」。本当にでかくて、オレ乗れるかも?と思っちゃった。毛はやわらかくてフサフサでしたよ。

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