● 今日は仕事の合間を縫って『フリー・ガイ』観てきました。だって、早く行かないと上映終了しちゃいそうだったから。設定は『LEGOムービー』と言うか『マトリックス』と言うか、そんな感じ。

● 平日なので座席も好条件。ただ、ハコはとっても小さかった……。コメディ風味のアクションアドベンチャー作品。とてもバランス良く面白かったです。ストーリーもきれいにまとまっていて、観終わったてからも気持ちが良い映画。ライアン・レイノルズはだんだん顔がCGキャラに見えて来るし(そう言う画面作りをちゃんとやっている)、タイカ・ワイティティも悪役を楽しげに演じている。カメオ出演者も、すぐ「わ」って思う人、エンドロールで「え!」と思う人、それなりに楽しい。しかもおバカ系のアドベンチャーかと思いきや、とってもリリカルなストーリーラインだったりするので、なんならオタクカップルのデートムービーにもなる。ゲーム好きかどうかに関わらず、観たら多くの人が「楽しかった」って言うと思う映画です。でも、すごく特殊なんですよ。それは2つの点。

● まず、なるべく早く観るべき映画だと言う事。基本的に物語って普遍性があるとはいえ「その時代」だからこそ伝わる部分というのが大きいわけです。過去の作品を楽しみながら、制作時の時代を遡る面白さ、なんてものもあるとは思うんですが、この作品の場合はそれがとても厄介。今の時代でしか共有できそうにない感覚が散りばめられた作品だと思うんですよ。今のゲーム事情、今のエンターテイメント(ラスト近くで引用されるアレやアレ)、今の社会。描かれる事象の多くが「今」に紐づけられてる。これ、10年後、いや3年後にはここまで楽しめないだろうなと言う確信があります。だから、今、観るのが大事。

● もう1点が、まさに「ゲーム」に関する理解度の問題。「GTA」のようでもあり、「Saints Row」のようでもあり、「アンチャーテッド」のようであり、「Fortnite」のようでもある。そういうビデオゲームを遊んだことのない人には理解はできてもしっくりこないネタや、ゲームっぽさ独特のカメラワークなんかもある。そういうゲームファンにお馴染みのエッセンスを取り込んでいるところがこの映画のユニークさだと思うんですよ。もちろん物語の基本構造はゲーム経験がない人が観てもわかるから、非ゲームプレイヤーにも「最高!」って言う人いると思うし、その人が幸せなら構わないんですけど、そのレビューは100%信用しちゃダメ。絶対、わかってないから!ゲーム経験者が観てこそ満喫できる映画なんです。

● そんなわけで、日本だとフックが弱いし、宣伝費も少ないだろうし、コロナ禍のご時世、あまり興行収入は期待できないと思うんですよ。色々勿体無い映画です。でも、ほんと、ゲーム好きは観て損はない。今はちょっと劇場には行けないなと思う人も、2ヶ月後にはDisney+でも配信を開始するそうなので、そのタイミングでぜひ!個人的にはガチゲームモチーフの「ピクセル」とかより面白さは断然上だし、「レディプレイヤーワン」よりも洒落てるので好きです。

● あと、予告編で観たMCU最新作「シャンチー」。面白そうだね。予告編から、次世代MCUの雰囲気が伝わってくる。