⚫︎ なんか、自分のオタク趣味のルーツを整理してみようと思い立ち、個人年表作ってたら、こんな時間になってしまいました。小学生の頃から、全国各地に山ほどいる子供のように、漠然と「漫画家になりたい」とは思っていて、藤子不二雄先生の「まんが道」(当時はハードカバーで全1巻のみ発売)を愛読書にしてたわけですが、中学になれば、それなりにトーンダウンしてくるわけですよ。運動部にも入るし、友達との会話はアイドルとか、ニューミュージックのことがメインになってくるし。おりしも、スターウォーズが全米公開され、日本でもその噂が聞こえてきた時代です。当時は、スターウォーズさえ「POPEYE」で、ファッションとしてのカルチャーとして紹介されていたわけですから、いかに世の中が「上っ面」な時代になっていたか、ということがわかっていただければ。

⚫︎ 近所の本屋で立ち読みするのが日課だったオレは、その頃の様々なカルチャー誌と出会います。まずは、スノッブなサブカルネタで、田舎者のオレを翻弄していた「ビックリハウス」。中でも読者投稿のコーナーが多くて楽しかった。さらには、読者投稿だけで作られた野心的な情報誌「ポンプ」。現在で言えば、ツイッターのつぶやきをひたすら集めて、本にしてるっていうイメージです。情報がぶつ切りに、編集もされずにひたすら並んでる。岡崎京子という名前を知ったのも「ポンプ」だったし、投稿でいろんな知識を得るわけです。で、同じく読者投稿に独特の(現在でいえばオタク的な)匂いがあった「月刊OUT」。のちに、アニメ誌になりますが、当時は、まんがも、音楽も、テレビ番組も、映画も、一緒くたになってたんです。運動部の先輩たちからは聞けない「文化的な」何かに、ガツンとやられてしまうわけですね。知的でかっこいい!と。そんな勘違いがさらに加速するのは、アニメブームの到来です。

⚫︎ オタク趣味の姉を持つ友人に出会うんですよ。彼は、お姉ちゃんからの受け売りで、とにかくいろいろ知っていたんです。テレビまんが(「サイボーグ009」とか「海のトリトン」とか)を、作品として研究、評価するというファングループがあるということ。それをまとめた「同人誌」というものが一部で流通しているということ。監督が誰か?脚本が誰か?声優が誰か?作画が誰か?など、これまで考えもしなかった情報の渦にクラクラしました。初心者がとびつきやすい対象は、すぐそこにありました。全国的に盛り上がっているという噂の「宇宙戦艦ヤマト」。存在は知っているけど、そこまで熱心には見ていなかったテレビまんがが、なんと、今になって映画版が公開されるというのです。もう、サブカルどころの騒ぎじゃないですね。すごい時代の流れを発見した(つもりになっている)んですよ。とびついた原因は、あの頃の自分にとっての「スノッブだった」というところにつきるんですね。そのお姉ちゃんが買ったばかりの「宇宙戦艦ヤマトサウンドトラック」(テレビのドラマダイジェスト)というLPをうやうやしく聴かせてくれるんです。帯には「君は覚えているか! あの熱き血潮を!!」って書いてる!!もう、劇場に行くしかないじゃないですか!!テレビランド増刊「ロマンアルバム・宇宙戦艦ヤマト」を買うしかないじゃないですか!!

⚫︎ というようなことを思いだしながら、明日は、高校時代の友人に誘われて、舞浜まで「宇宙戦艦ヤマト2199」のコンサートを聴きに行くことになりました。楽しみだ!!