● 『プレデター:バッドランド』週末に観ようと思っていたら、ほぼ周辺の劇場で終わっていたことを知って大いにショック。……配信待ちとなりました。残念!!というわけで、悔し紛れに配信でマ・ドンソクの『犯罪都市』シリーズの2本目、3本目を観てました。

● 実は先日マ・ドンソクの『犯罪都市』最新作(4本目)を観て、シリーズ網羅してた気になってたんですが、よく考えてみたら実は2作目も3作目も観てなかったんですよ!まあ、どれもこれも同じような感じなので、中抜けでも問題なく楽しんで、すっかりシリーズを見終わった感じにすらなってました。改めて観てみたら、どれもそつなく面白いし、見応えがあるんですよ。他愛もないアクション娯楽映画、といえばそのとおりなんですが、全部、同じくらい面白いです。そこは、マ・ドンソクの肉体的説得力なんでしょうね。ぶん殴るアクションの重さが、ちゃんと爽快感あるアクションにつながってる。あの豪腕は、韓国映画が持つ“わかりやすい強さ”の象徴にも見えます。ちょっと粗暴なところはあるにせよ正義感にあふれ、最後は暴力で悪をねじ伏せる。それに、毎回、ベタな人情話も複数の縦糸を作って絡ませてくる。このシリーズにコクを与えてるのはそういうディティールを惜しまないところですね。

● 韓国映画は、なぜ日本人にとってもちゃんと「面白い」と映るのか考えてみました。文化が近いとはいえ、歴史も違うし、政治的にはしばしばすれ違う。それなのに、スクリーンの前では手を取り合って笑ったり泣いたりできる。そこにはたぶん、いくつかの理由があるでしょう。まず第一に、文化的な近さ”による理解のしやすさ。日常の風景、家族の距離感、礼儀の微妙な温度、世代間のギクシャクした空気。これらすべて日本社会にも通じるので、字幕越しでもすばやく状況を把握できる。最初の数分で物語空間に自然と慣れ、あとは登場人物の感情を追うだけで済むからでしょう。

● 次に、韓国映画の「感情の振れ幅の大きさ」があるでしょう。基本的に韓国映画は「感情を動かすこと」に全力。笑わせる、怒らせる、悲しませるが大げさなほど描かれます。日本映画がしばしば「控えめな情緒」「行間の余韻」を大事にするのとは対照的です。この違いが“刺激量”に直結しているものと思われます。『犯罪都市』が成功している理由のひとつは、単純な勧善懲悪にもかかわらず、怒り方・笑い方・戦い方の振り幅がとんでもなく大きいからです。頭で理解するより先に、身体的に作品を味わってしまう。

● もうひとつは、韓国映画はジャンルの混ぜ方が非常に巧み、ということです。アクション映画なのに、家庭ドラマが脇を固め、社会問題が背景に滲む。サスペンスかと思えばラブロマンスが横切り、ヒューマンドラマと思った瞬間に大規模アクションに発展する。この「ジャンル横断」が面白いんですね。これも「振れ幅」のひとつ。構造に馴染みがありつつも新しい。「パラサイト」も「グムエル」も「魔女」も、面白いなあと思った韓国映画はそこが楽しい。見慣れた食材(家族、友情、格差)を使っているのに、それを大胆な味付けで仕上げてくるという既視感と刺激のバランスが絶妙なんです。しかも、格差や家族、成功と挫折、暴力、社会制度への不信などを扱っても教臭くならない匙加減。あくまでキャラクターの生き様として描かれるため「社会を学ぶ」感覚は希薄。「人間を追う」感覚で娯楽として体験できる。

● もちろん技術と演技の水準の高さがそこを支えている。演者のテンションは高く、表情は豊かで、感情は躊躇なく爆発する。撮影や編集も職人的で、テンポがよく、観客を飽きさせない。これらが統合されることで、日本の観客にとって韓国映画は、“理解しやすく、同時に驚かせてくれる”存在になる。日本に通じる文化的な親しみやすさがありながら、演出や感情の起伏は日本の枠を軽々と飛び越えてくる。観客は物語に身を委ねつつ、予測不能な展開と情緒の奔流を楽しむことができる。この“近さと刺激”の両立こそが、韓国映画の最大の魅力だろうと感じます。『犯罪都市』シリーズは、それらの特徴を最もわかりやすく体現しているんですよ。近所にいそうでいない、暴力的だが人情がある。そんなキャラクターが、極限まで振れ幅のある感情と行動で物語を推進していく。日本の観客がマ・ドンソク(および韓国スター)に惹かれるのは、「自国では見られないが、理解はできる」タイプのヒーローだからでしょう。スクリーンの向こうには、自分と似ているのに、自分にはできないことをやってのける人々がいる。そう考えると、韓国映画って日本人にとって“刺激的な鏡”のように機能しているのだろうと思います。日本での洋画人気が落ち込んでいたりする現状。もちろん人口比、作品数比で言えば韓国映画のパイはさらに少ない。では、日本で作られる物語は、どれくらいの“振れ幅”を持っているだろうか。と、考えてたりもしています。

● で、昼はサッポロ一番のサメラーメンを食べました。とはいってもサメなのはパッケージだけで、中身は至ってふつーの味です。5パック入りで安売してたやつが、たまたま日本全国水族館動物園コラボパッケージだったというだけです。

● なんか、可愛いから得した感じ。ちなみに、同じく5パック入りで買った、サッポロ一番みそラーメンの方は、スヌーピーコラボパッケージでした。期間限定パッケージは、安売りになりやすいのかな?(ちいかわコラボのチャリメラも5パック300円とかめちゃくちゃ安かったけど、今じゃ、瞬殺で高額転売されるんだろうな)